928 Cabriolet Studie (1987)


1987年、ポルシェは 928をベースにしたオープン・ボディのカブリオレを試作しました。搭載された水冷V型8気筒エンジンは通常の 928S4と同様の 320馬力で、ボディ強度を確保するため 70Kgほど増加した車重をものともしない 270Km/h以上の最高速度が可能であったといわれています。この 928カブリオレ Studieの前後のバンパーの一部には、ポルシェの主要な市場である北米仕様の特徴が見られます。ほぼこのままのスタイルで市販される計画でしたが、北米マーケットの冷え込みにより計画は中止され、本格的な生産には至りませんでした。

この作品はイタレリ (ITALERI) 1/24のキットを改造したものです。イタレリのキットはボンネットを開けると、V8エンジンを見ることができるうえ、裏返すとシャーシ周辺、駆動系や排気系も見事に再現されており、作り込む楽しみもあります。同様に内装もきちんと立体的に再現されているので今回はルーフを切り取り、カブリオレに改造してみました。車内が丸見えになるカブリオレの製作には、ドア内貼りがきちんと表現されているイタレリのキットが適しているようです。前後のバンパーについてはフジミのほうが雰囲気が良いので部品を流用しています。928をベースにしたコンバーチブルは、多くのチューナーが手掛けていますが、こうしてみるとポルシェのデザインした 928カブリオレが最もすっきり纏っているように感じるのですが、ポルシェ本家から928のカブリオレが販売されなかったのは残念です。